おじいちゃんおばあちゃんの家に置いてありそうな、すまし顔で手足のないお人形さん…
暗い雰囲気で、なんとなく怖いと思った方も多いのではないでしょうか?
そもそも、こけしは何のためにあるのでしょうか?
こけしとは?
こけしは東北地方で生まれた、木を挽いて作られた人形です。
江戸時代末期ごろから東北地方の温泉地を中心に発達し、木地師と呼ばれる木でお椀やお盆などを作ることを生業とする人々が、湯治客相手に子供向けのおもちゃとして作ったのが始まりとされています。
明治・大正時代になるとブリキやセルロイドのおもちゃが主流になり、こけしは忘れ去られてしまいました。
しかし時は昭和初期、こけしの美に気づいた大人たちは、観賞用にこけしを集めるようになりました。※通称・第一次こけしブーム
この流れで、現在は観賞用のおもちゃとしての役割を担っています。
決して役に立つものとは言えないけれど、そこにいるだけで癒される、優しいお人形さんだ。
伝統こけしと新型&創作こけし
こけしは伝統・新型・創作に分かれています。
伝統こけしは戦前に東北地方で発達したこけしのことを指します。
戦後、後述する新型こけしが登場したことにより、新型こけしと区別するために「伝統こけし」と呼ばれるようになりました。
代表的なものは鳴子こけし、遠刈田こけし、土湯こけしなどがあります
我々が想像するこけしは大体こちらでしょう。
↓↓伝統こけしの詳しい種類はこちら!!↓↓
対して新型・創作こけしは戦後全国でお土産として作られたこけしです。
伝統こけしの技法を真似して作られたもので、伝統性よりもかわいさやユニークさを重視している自由さも特徴です。
量産可能なものは新型こけし、芸術性の高いものは創作こけしと分けることができます。
代表的なものは石巻こけし、松島こけし、群馬の卯三郎こけしなどがあります。
当サイトでは、伝統こけしについて取り扱っていくつもりだ。
新型・創作こけしにはどうも疎くてな。
専門外のことに対しては逃げの姿勢なんだな!!
こけしの名前の由来
こけしの呼び名は元々地域差があり、例えば「ぼうず」「こうげす」「こげす」等バラバラでした。
当然、地方によって呼び方が違うと混乱するとのことで、呼び名を統一しようとの動きがあり、昭和15年に鳴子温泉で「こけし」に統一されることが決議されました。
意外と呼び名の歴史は浅いんだな。
名前の由来は諸説ありますが、こけしの「こ」を「木」と読むこと、「けし」は仙台の郷土玩具「堤人形」には小さい人形があり、これを「けし人形」と呼ぶことからとも言われています。
一部メディアや文人からは「こけし=子消し」と取り上げられることはしばしばありますが、これらの経緯や命名理由を見れば、悪質なデマだというのがわかるはずです。
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おかげでこけし関係者や愛好家は大迷惑しているんだ。
まとめ
こけしは子供のためを思って作られた、素朴で美しい木彫りの人形です。
表情や独特な存在感が怖いと思いますが、子供に寄り添うために生まれてきた優しい存在なのです。
まずはこのサイトのいろんな記事を見て、こけしの魅力を知ってもらえれば幸いです。
もしこけしと目が合ったら、是非可愛がってあげてください。
参考文献
伝統こけしのデザイン Kokeshi book/cochae著/青幻舎/2010年4月10日
癒しの微笑み 東北こけしの話/高橋五郎著/河北新報出版センター/2014年9月3日
「こけし」の真実 -「こけし→子消し」は真っ赤な噓-/平井敏雄著/2006年9月17日
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