こけしに使われる木材って?

こけしといえば木材だな!!

こけしの体は木材でできていて、木材にも様々な種類があります。
木材によって肌の質感が違い、雰囲気ひとつを決めていきます。
ここでは、こけしに使われる木材について紹介していきたいと思います。

ちなみに、上の画像はこけしの中では一番メジャーなミズキの木だ。

こけしに使われる木材の特徴

こけしの素材になる木材は、ほかの木材と比べると材質の柔らかい木が選ばれやすいです。
こけしに使われる木材は、かつては東北地方のような雪国では、利用価値のないものでした。
それを木地師(木製のお椀やお盆などを作ることを生業としている人々)が子供のおもちゃとしてこけしを作り、温泉土産として売り出すようになりました。

メジャーな木材

ミズキ

大沼秀顯工人のこけしちゃん。

樹液が多いため扱いにくいですが、成長が早いため、こけしの材料として最もメジャーな木材です。
特徴として、材質が白くて堅さの割に加工しやすいことが挙げられます。
宮城・蔵王山麓では「だんごのき」とも呼ばれています。

イタヤカエデ

煤孫盛造工人のこけしちゃん。

北東北ではメジャーな木材です。
木材の特徴として、ミズキよりも堅く、薄い紅褐色をしていることが挙げられます。
木材の表面に不規則な木目が見られるのも特徴です。
密度も高く割れにくい、ずっしりした仕上がりになりますが、乾燥が十分でないと割れが入りやすいため、取り扱いには注意です。

アオハダ

太田孝淳工人のこけしちゃん。

「ビヤベラ」とも呼ばれます。
特徴として、木の肌は白または青みがかったものが多く(育った場所にもよりますが)、割れやすいことが挙げられます。
また、カンナのつきがよく、磨きやすいと言われています。
描彩では滲みにくいのもポイントです。

エンジュ

赤みがかかった濃い褐色をしています。
木目のしまった堅い材質で、お椀などの日用品の材料として使われていましたが、観賞用になった近年では使われるようになりました。
また、魔除けとしての効能もある縁起物としても知られています。

アオカ

別名「うりはだかえで」とも呼ばれます。
特徴として、淡黄がかった白い木肌をしていて、比較的変色しやすく、材質が柔らかいためカンナがつきやすいことが挙げられます。

その他木材

桂材のこけしちゃん。田中惠治工人のこけしちゃん。

他にも梨、桑、桂、栓などの木材が使われます。
桜や椿も使われることがありますが、これらが使われるようになったのは、こけし蒐集家の目が肥えて贅沢になった50年代からです。

まとめ

こけしを作る木にはさまざまなものがあり、種類によって異なった味わいを出しています。
こけしをお迎えする際は、木材について意識してみるのもいいのかもしれません。

参考文献

入魂の木地師 みやぎ蔵王山麓のこけし/1989年5月2日/齋藤喬著
蔵王東麓の木地業とこけし/1961年10月15日/佐藤友晴著
こけし事典/1968年9月20日/土橋慶三・西田峯吉著

Kokeshi Wiki/https://kokeshiwiki.com/

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