こけしの選び方虎の巻

こけしちゃんは魅力的でいろんな子がいるから、どうやって選べばいいのかわからない!!

私はこけしが売られているところで大勢のこけしを目にすると、悩みに悩んでついつい時間をかけてしまいます。
目利きのセンスがあればいいのに…とも思っています。

こけし愛好家になったはいいけど、同じようなお悩みを持っている方もいるはずです。
そこで、先人の意見や書物を参考に、こけしの選び方を考えていきたいと思います。

いいこけしって?

いまだに自分でもわからん

はい。こけしを集め始めてから6年たっても、いまだにコツとかはわかっていません。
いまだに自分の直感と、工人さんの意見のみで選んでいます。
こけしを見てビビッときた子を選んでいます。
たま~に一目ぼれしてお迎えしますが、はっきり言ってそんなケースはまれです。

ただし、すべてのこけしは工人さんが一本一本丹精込めて作っているものです。そこで「これはいいこけしだ」「これは悪いこけしだ」と決めつけるのも酷な話だと思います。
自分が気に入ったこけしが「いいこけし」だと思うのです。

こけしを集め出すにあたって、陥ってしまいがちな間違い

私は元々こけしを集めるにあたって、レアなこけしもなければこけしの本数も少なく、こけし愛好家として入り口にも立てていないと思い込んでいました。
しかし、青葉こけし会のこけし愛好家さん曰く、そんな考え方はしなくてもいい、もっと肩の力を抜くべきだと教えていただきました。

ちなみに、私が陥りそうになったこけし蒐集の間違った考え方は、以下の通りです。

①本数を多く集めて自慢する

②値段の高いこけしを多く持っていることを誇らしげにする

③他人が持っていない珍品を数多く持っていることを鼻にかける

これらは少しも自慢になりません。
こんなうわべだけの集め方だと、いつまで経ってもこけしを見る目が成長しませんし、なにより工人さんへのリスペクト精神のかけらもありません。

今では心を入れ替えて、こけしちゃんひとりひとり愛でています。

今では特定の工人さんのこけしちゃんを中心に、ちょっとずつ集めているつもりだ。

こけしを選ぶコツ

いまだにわからん。

はい。私の場合、やはり直感と目が合ったかどうかだけです。
迷った場合は工人さんと相談しながら選んでいます。
しかし、これだけでは目が肥えないと思うので、古の名著・こけし辞典を参照してこけし選びのコツを学んでみました。

まず、十分時間をかけ吟味した上で選ぶ癖をつけましょう。
こけしまつりなど、人気イベントだと取り合いになって難しいかもしれませんが、そこは自分の直感を信じましょう。
伝統こけし工人録など本を読んで、伝統こけしの筋の通った工人さんのこけしのうちから、自分の直感で選びましょう。

ただ漠然と、「こけしってかわいい~♡」という感情で集めるのもアリですが、こけしを産んだ東北地方の風土と、工人さんの人柄をリスペクトしながら集めましょう。
通販をおすすめしない理由は、東北の風土や工人さんの人柄に触れられないからです。
遠方の方は難しいかもしれませんが、東北地方の産地を訪れて、直接工人さんに会って、東北の風土を感じてみましょう。

…という感じです。
私は東北地方の交通の要衝・仙台の人間ゆえに、いつしか東北中のいろんな産地に出向いて、こけしちゃんを求めるようになりました。
私事ですが、こけし愛好家にとって恵まれた場所に住んでいることは、ありがたいことなのです。

自慢話はよくないぞ!!

工人さんと東北地方の風土

工人さんの人柄や東北地方の風土に触れられたいい例として、大沼秀則工人のこけしちゃんを紹介します。

この子は秀則工人と相談しながらお迎えしたこけしちゃんです。
本当は伝統型を注文することを想定していましたが(秀則工人のおじい様・誓工人のこけしも好きなのです)、在庫のこけしちゃんを見せていただいたとき、ほかの子と比べて「私かわいいでしょ」という自信ありげな表情をしていて、思わず連れて帰りました。
純粋に誰からも愛されるこけしちゃんのいい見本で、こけしを布教するときは高確率で連れていく子です。

実は、生まれて初めて店舗なしの工房にお邪魔したのが、大沼秀則工人の工房でした。
そこでは昔賑わっていたころの鳴子温泉の話や、おすすめの工人さんの話、木材の話をしていただきました。
秀則工人は、穏やかで優しくて素敵な方でした。
思い出の工人さんとこけしちゃんです。

まとめ

私はこけしを選ぶには工人さんと相談したうえで、じっくり見て選ぶことが理想的だと思っています。

そして、皆さんもぜひ東北地方に遊びに来てください!!
こけし集めのほかにも、仙台の牛タンや盛岡のじゃじゃ麺、秋田・川連の近くの稲庭うどんや山形風の芋煮汁など、こけし産地のおいしい食べものを食べに来てください!!
東北地方の風土を体感しながら、素敵なこけしちゃんに出会えることを願っています!!

東北へおいでよ!!

参考文献

こけし事典/1968年9月20日/土橋慶三・西田峯吉著
こけし 美と系譜/1966年9月15日/鹿間時夫・中屋惣舜著/社会思想社

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