今回は、仙台の長老・小笠原義雄工人のこけしについて紹介したいと思う。
なんでも小笠原義雄工人は2024年現在、御年88歳なのです!!
老いてなお精力的に活躍されている、すごい方なのです。
連れてきた経緯
2018年のみちのくこけしまつりでお迎えしました。
この時義雄工人は実演工人だったので、目の前でお迎えできました。
表情が好みだったのですが、何よりも後述の胴模様に驚いたのです!!
なんでも、「この型でコンクールの最高賞を受賞した」とのことで、気になって連れ帰りました。
しかし、この子は8寸(約24cm)と大きめなこけしちゃん!!
ワンルーム6畳の狭い部屋に住む私にとって、収納や飾りつけには苦労しました。
もうビンテージ以外で8寸以上の子はお迎えしないつもりだ…
こけしちゃんの特徴
まずはお顔。
甘く優しく、憂を帯びた表情のこけしちゃんです。
うつむきがちで、アンニュイな美人といったところでしょうか。
今となっては辛口でキレのあるこけしちゃんを好むようになりましたが、こけし蒐集を始めたばかりの頃は、こんな感じの甘いお顔に夢中でした。
趣味って変わるものなんだなぁ。
でもこの子はお気に入りなんだぜ!!
頭頂部。
遠刈田らしく、蛇の目と放射状の手絡が描かれて、華やかな印象です。
そして、何よりも胴体が特徴的です。
義雄工人といえばビリカンナです。
ビリカンナとは、轆轤で回す胴部に特殊な刃を当て、回転の勢いで刃が細くはじかれる力を利用して木肌に繊細な波模様を作る独特な技法のことです。
胴体はビリカンナが挽かれていて、凸部に赤と黒の2色で色が付けられているのです。
Kokeshi Wikiではによると、ビリカンナは平面に当てることは難しいと記されていますが、義雄工人はそれができるのです。
しかも、よく見るとビリカンナの挽き方も荒いものから規則正しいものまで、ちょいちょい違う模様なのです。
見ていて楽しいし、何よりも義雄工人の木地技術の高さに驚いています。
私が思うに、現役工人さんの中で一番ビリカンナにこだわっている工人さんだと思います。
私は義雄工人のことを「ビリカンナの魔術師」だと思っている。
人生の大先輩になんて呼び方するんだ!!!
…反省している。
まとめ
今回はビリカンナにこだわりぬいたうえで生まれたこけしちゃんについて紹介しました。
憂を帯びた表情にも心が揺さぶられます。
そして、義雄工人がこれからもお元気に活動し、長生きされることを願っています!!
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