石巻こけしの魅力

今回は夏らしく、石巻こけしの魅力について紹介したいと思う。

あれ?これって新型こけしなのでは?

気にするな!

はい。今回はなぜか新型こけしについて紹介します。
以前、新型こけしにはどうも疎いとお話ししましたが、石巻こけしだけは話が別です。
というのも、誕生の経緯には伝統こけし工人が深~くかかわっているのです。
それでは、早速石巻こけしの紹介をしたいと思います!

石巻こけしって?

まず宮城県石巻市の話から始めます。
石巻市は世界三大漁場の一つ・金華山沖に面する日本屈指の漁港の街で、特にサバの水揚げ量は日本トップクラスを誇ります。
また、萬画の王様こと石ノ森章太郎先生が青春時代を過ごした街として知られ、石ノ森萬画館はマンガ好き、特撮ファンのメッカとして有名です。
元々宮城県の三陸沿岸でこけしが作られることはなく、そもそもこけしがピンとこない人も多い地域でした。

さて本題。
石巻こけしとは、震災の傷跡がまだまだ残る2015年に誕生した新型こけしです。
作者である林貴俊工人(新型こけしの作者は工人呼びしないのが慣例ですが、ここではあえて工人呼びします)は呉服屋の若旦那として働いていましたが、東日本大震災で被害を受けた石巻を盛り上げるため、弥治郎や遠刈田の工人さんの援助を受けて、こけし作りを始めました。
また、ルーツは山形の志田菊宏工人の創作こけし「きのこなこけし」と出会ったことから、こけし作りを始めたとのことです。

石巻こけしは工房兼店舗の「Tree Tree Ishinomaki」でお迎えすることができます。

一見地域密着型の呉服店だから、入るのを躊躇したのは今となっては笑い話だな。

石巻こけしの特徴

胴体は漁港町らしく青や赤の轆轤線に、赤い魚模様をあしらった「フィッシュボーダー」が描かれます。

目は二重まぶたに、顔の周りには遠刈田こけしを思わせる放射状の赤い魚模様、
前髪は富士山を思わせる形をしている、おめでたいこけしちゃんなのです。

頭頂部には弥治郎こけしを思わせるベレー帽のような青と赤の轆轤線やフィッシュボーダーが描かれます。

といっても、新型こけしゆえに何でもアリないろんな型が作られているのが特徴です。
頭にタコが乗った子(通称・ニョキポコたこ)や、アフロ頭にリーゼント頭のこけしちゃんもいるのです!!

魅力

まずは心の底からおもいっきり笑っているような表情です。
なんでも、震災で頑張ってきた人が安心できる表情にとの願いが込められています。

先述の通り、弥治郎や遠刈田の工人さんの援助を受けて生まれたという誕生の経緯や、実は13番目のこけしの系統入りを目指しているようなので、こけしは伝統一択!!という方でも安心して迎え入れられるようなデザインなのです。

また、新型らしく様々な型を作ることにも挑戦していて、見ていて楽しいのです。
伝統こけしが忘れてしまいそうなおもちゃらしさや、創造性も石巻こけしには存分に秘められているのです。

まとめ

カラフルでポップな石巻こけしには、伝統こけしにも通じる魅力だけでなく、伝統こけしが忘れてしまいそうなものを持っている魅力的なこけしちゃんなのです。

そして、ぜひ石巻に遊びに行ってください!!
石巻こけしをお迎えするだけではなく、海産物を買って、石ノ森萬画館に遊びに行って、マンガロードを見て、遊びに行ってください!!

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