鎌田孝志工人のこけしちゃん(小野川こけし)

今日は鎌田家では変わり種のこけしちゃんを紹介しようと思う。

そういえばこの前も鎌田家のこけしちゃんを紹介していたけど、大分雰囲気が違うなぁ。

連れてきた経緯

2024年のこけしコンクールの後、昨年同様鎌田こけし屋さんに向かいました。
お店には鎌田孝志工人・美奈枝工人ご夫妻がいらっしゃって、温かく歓迎していただきました。
お店にはかれこれ2時間も居座ってしまい、お昼頃まで話に花を咲かせました。

さすがにお昼ご飯の時間も居座るわけにはいかないから、後ろ髪をひかれるようにクールに去ったぜ。

話題は山形県の小野川温泉のこけしちゃんの古作になり、現物のふくよかさや健康的さ、筆の質について貴重なご意見をお伺いすることができました。

首にタートルネックのような襟巻があって、カラフルな渡辺幸治郎型か渡辺幸九郎型にするか迷いましたが、話の流れが小野川温泉のこけしちゃんになっていたので、思い出に残るように小野川温泉のこけしちゃんにしました。

風の噂で、小野川温泉では某感染症の影響で、小野川こけしを作っていた蔦文男工人が廃業してしまったとお伺いしました(あくまで噂)
残念に思っていましたが、鎌田さんご夫妻が継承してくださってありがたい限りです。
なんでも、鎌田さんご夫妻は伝統を守ることに信念を燃やすことに定評のある工人さんなのです。

こけしちゃんの特徴

小野川温泉・蔦作蔵型のこけしちゃんです。

表情はふっくらとしていて健康的ですが、甘くなりすぎず、引き締まっていて真面目そうな印象を受けます。
目は見開いていていますが、決して圧は感じさせません。
髪飾りは遠刈田の影響を受けているのだろうか、放射状に描かれています。

頭頂部。
よく見ると、前髪の中に半円状の赤い飾りが描かれています。

胴体。
遠刈田の影響を受けているのか、立ち菊が描かれています。
現物はぽったりと丸みを帯びた筆の入り方ですが、このこけしちゃんは筆はスッと入ってスッと抜かれています。
孝志工人曰く「現物は質の悪い筆で描かれたようだから、どうしても真似できない(要約)」と話していました。
おかげで、ますますキレと緊張感のある仕上がりになっていると思います。

まとめ

というわけで、今回は小野川温泉のこけしちゃんを紹介しました。
ふっくら健康的なのに生真面目そうな、愛すべきこけしちゃんです。
これからも鎌田さんご夫妻が伝統を守っていく姿を応援していきたいです。

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