ある秋晴れの日のこと、遠刈田温泉へ行ってみました。
今年は遠刈田こけし祭りに行けないからな、かわりに行ってみたぞ。
蔵王町役場には巨大こけしちゃんがお出迎え。
温泉街に到着すると、蔵王町らしく梨の産直が。
梨は苦手だからスルーした。
好き嫌い多いなぁお前。
遠刈田温泉らしく、こけし顔はめパネルが神の湯前に。
蔵王刈田嶺神社と狛犬
まずは温泉街の中心部にある蔵王刈田嶺神社へご挨拶に行ってきました。
共同浴場・神の湯の真後ろにあるので、わかりやすい立地にあります。
巨大鳥居がお出迎え。
本殿の横にはカエルみたいでのっぺりした形状の狛犬が。
どうやら江戸時代、まだ狛犬が一般的ではなかった時期に作られたものとのことでした。
いざこけしの聖地へ
さて、こけしの聖地・遠刈田新地へ向かいます。
途中、こけし屋さんの跡地を見つけました。
なんでも、遠刈田こけしの後継者はおらず、町が力を挙げて後継者の募集に乗り出したはいいけれど焼け石に水。
今後、このようなこけし工房跡地が増えていくのかなぁと思うと、遠刈田の将来が心配です。
遠刈田新地の入り口、遠刈田大橋には巨大こけしちゃん。
橋にはこけしちゃんが埋め込まれています。
佐藤龍平こけし屋さん
まずは遠刈田新地の入り口にある、佐藤龍平こけし屋さんにお邪魔しました。
お店に電気はついていて、店主さん(初代・佐藤龍平氏の娘さんの旦那さん)がお出迎えしていただきました。
私が趣味でこけしを勉強している者だとお話ししてから、ご主人とのこけしトークは花が咲き、2時間以上昼過ぎまで話しつづけました。
こけトーク
まず話題は岡崎斉吉工人の話に。
岡崎斉吉工人のこけしちゃんは少女のあどけなさをよく映していて、ご主人のお気に入りとのことでした。
しかし、こけし工人見習いの渡辺あかねさん曰く、斉吉工人はパワフルで気性の激しい方とお伺いしていて、よくそんな濃ゆい方がこんなにかわいらしい子を作り上げたなぁと思ってしまいました。
こちらがうわさの岡崎斉吉工人のこけしちゃん。
撮影許可ありがとうございました!
続いて話題は佐々木覚平工人の話に。
トークの影響で連れて帰っちゃいました。
後ろを振り向くと大輪の花が2つ描かれていて、まるでかわいらしい頭巾(現代人の感性だとパーカーについているフードにも見える)をかぶっているようにも見えます。
なんでも、佐々木覚平工人の大叔父はハイカラなマントのこけしちゃんを作ることを好んでいたそうで、伝統的なデザインは今に通じる色褪せない魅力を放っているのです。
佐藤英太郎工人のおはなし
そして話題は佐藤英太郎工人のことに。
英太郎工人は子供の頃から絵がうまかったことや、幼いころ祖父・直助工人や父・秀一工人を亡くして大変苦労されたこと、そんな人生を乗り越えているからこそ英太郎工人のこけしさんは大変美しいこと、英太郎工人の人生哲学に賛同した人にはこけしさんを譲るものの、ただお金を出せばこけしさんを譲ってもらえると思っている人には売らないなどなど、聞いているだけでも強烈なエピソードをお伺いしました。
しかし、一度でいいから英太郎工人のお話しをお伺いしてみたい、人生観について学んでみたいという想いから、佐藤英太郎工人のお店にお伺いするという目標もできました。
でも、正直怖いかも…メンタル弱いし…
行ってみないとわからないだろ。
故佐藤龍平氏のおはなし
先代店主・佐藤龍平氏のお話もお伺いしました。
龍平氏は人の好き嫌いが激しかったものの、こけし工人さんにアドバイスを与えたり、みやぎ蔵王こけし館に展示するこけしちゃんを集めたり、秋篠宮様来館時にはこけしの説明係を務めたりと大変功績は大きく、いわば遠刈田の生き字引みたいな方とのことでした。
たくさんのお客さんや工人さんに慕われていたとのことで、もっと早くこけし愛好家になっていれば会えたのになぁと残念に思いました。
現店主は定年後跡を継ぎ、こけし界に飛び込んで2~3年とのことでしたが、こけし歴にしては知識や愛情が強く、たくさん勉強になることを教えて頂きました。
最後に、前述の覚平工人のこけしちゃんを譲っていただき、お店を後にしました。
店主さん、終始温かく接していただきありがとうございました!
出会いに感謝です!
まとめ
今回のこけし旅は、いつかは英太郎工人のお店に行くというこけし蒐集の新たな目標ができました。充実した気分で佐藤龍平こけし店を後にし、お昼ごはんへと向かいました。
おまけ
えんそうさんで蔵王チーズのジェノベーゼを注文。
チーズの味が程よく主張していて、おいしく頂きました。
隣には玉入れえじこちゃんが居眠りしていました。
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